ミドリムシ研究の歴史

ミドリムシって何?ミドリムシについて詳しく知りたい!そんな人のためのミドリムシについてのサロンです。
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ミドリムシの発見

ミドリムシの発見は随分古く、1660年代のオランダで、今日「微生物学の父」と称賛されているアントニ・ファン・レーウェンフックにより発見されました。

 

光を感じる器官である赤い眼点が美しい瞳の様に見えた事から、ミドリムシの学名をEuglena(ユーグレナ)と命名しました。

 

ラテン語で美しい(ue)眼(glena)という意味です。

ミドリムシを使った大発見

1961年、アメリカのメルヴィン・カルビンらのチームが、光合成により二酸化炭素が有機物に変換される際の炭素の完全移動を解明した、カルビン・ベンソン回路の発見でノーベル化学賞を受賞しました。

 

この研究に使われたのがミドリムシでした。

アメリカ航空宇宙局(NASA)によるミドリムシ研究

1970年代には宇宙開発の観点から、アメリカ航空宇宙局(NASA)がミドリムシの研究を始めます。

 

初めは宇宙空間における生物の挙動研究の為に選ばれたミドリムシでしたが、二酸化炭素と太陽光で育ち、その際に光合成で酸素を発生する事が注目されました。

 

乗組員の呼吸で排出される二酸化炭素から再び酸素を得る事が出来、尚且つその事でミドリムシが増殖する循環を、限られた宇宙船内での酸素確保システムに利用しようという研究でした。

ミドリムシ研究の世界的な広がり

1990年代に入ると、ミドリムシの高い栄養価や二酸化炭素固定能力を利用した、医療健康や環境分野での利用の為の研究が世界的に本格化します。

 

それによりさらにミドリムシの優れた効用性が認められていきました。

日本のニューサンシャイン計画

新エネルギーや省エネルギー技術と環境保全技術の開発を目的として、1993年に発足した国家的プロジェクト・ニューサンシャイン計画の中で、ミドリムシ研究が本格化しました。

 

しかし成果が得られないままにこの計画は2000年に中止となります。

 

同様に世界的なミドリムシの研究も、実用的なミドリムシの培養は不可能という結論が出て、終息に向かいました。

ユーグレナ社によるミドリムシ大量生産の成功

2005年、日本のベンチャー企業ユーグレナ社が産学の協力を得て、世界で初めてミドリムシの大量培養に成功しました。

 

ミドリムシは元来から身の回りの水田や池に生息している微生物なので、環境を整えてやればその培養は難しいものではありません。

 

しかし食物連鎖の中でのミドリムシの位置付けは最下層で、その栄養価の高さから他の微生物の恰好の餌である為に、ミドリムシを培養するとそれを捕食する生物も大量に発生して、ミドリムシの増殖が抑えられてしまう事が増産のネックとなっていました。

 

従来はミドリムシを捕食する微生物の侵入を防ぐ、または取り除くという観点からの研究が行われていました。

 

試行錯誤の結果、それは不可能であるという結論に達していました。

 

長年のそれら研究のデータを検討したユーグレナ社の創設者は、ミドリムシしか生育できない環境を作れば良いと考え付きます。

 

即ち、ミドリムシ以外の微生物をミドリムシから分離するのが難しいのなら、最初からミドリムシだけしかいなければ良いのだと、発想の転換をしたのです。

 

現在ユーグレナ社は、沖縄県石垣島に大規模プラントを持ち、年間60トンのミドリムシが生産されています。

ミドリムシ研究の将来

ミドリムシの研究は実用化の段階に突入しています。

 

すでにサプリメントなどで美容健康関連商品として販売されていますが、さらにはミドリムに含まれる油脂分の性質がジェット燃料に向いている事からその開発が試みられており、関連して大気中のCo2を増やさないバイオ燃料としての研究も進められていまうす。

 

また下水・排水や火力発電所で排出されるCo2をミドリムシに吸収させる事で、大気中のCo2削減とミドリムシの新たな培養を同時に行えるシステムの研究や、油脂分やCo2固定能力が高いミドリムシを作る品種改良も進められています。

 

この様なミドリムシの研究が進展した先には、食糧問題や地球温暖化、エネルギー問題など現在、懸案となっている世界的な問題解決の一翼を担う可能性が期待されます。

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